薬剤師の仕事百科

給料と働き方を求めて
【後編】

一日の業務の流れを教えてください

OTC販売業務を例に挙げてお話しますね。
まずは出勤したら早番の人はワークスケジュールの作成を行い、遅番の人はワークスケジュールのチェックを行います。
基本的にこのワークススケジュールに沿って仕事をします。
そして業務開始前にパソコンで、本部から仕事の指示が来ていたり、その他さまざまな知らせがないかメールのチェックをします。
ここからいよいよ業務開始です。
ルーチンワークとしては
・レジ業務
・品出し業務
・発注業務
があり、この3つで一日の6、7割になります。
その他季節ごとの商品の売場作成、本部指示の売場の作成、接客業務を行う事が3、4割です。
また特売期間が近くなると、特売準備もやりますね。
売上予想を立てて、特売品が欠品せず在庫を抱え過ぎないような量を発注します。
またお客様に購入していただくために売場のPOPを工夫して作成することもします。

薬剤師のスキルをあまり使わないことがネック

実際薬剤師としてのスキルはあまり使わないと感じました。
薬剤師にしか販売出来ない1類医薬品・要指導医薬品の販売や、接客時に薬を売ることくらいですね。
その他は正直薬剤師でなくても出来る仕事であるとは思っています。

ずばり年収の上がり方とモデル年収はどれくらいでしょうか。

本当にズバリいいますと、昇進するにつれて年収も大きく上がっていきます。
薬剤師店長で600万以上です。役職の他にランクがありますが、ランクが上がると店長でも700万円近くになります。
僕の知り合いは6年目で700万円ほどになりましたね。
エリアマネージャークラスになると800万はいきます。
また一般職と比べると薬剤師職は昇進もしやすいように感じまが、それは一般職の方に比べるとそれだけ勉強してきていて地頭のよい人も多くいる印象があるからでしょうか。

ずばり会社や業界で働いてみないとわからないことはなんでしょうか

ルーチンワークの多さでしょうか。
基本的に同じ業務の繰り返しがほとんどなので飽きはきます。その他、立ち仕事のため脚が辛かったり、薬局内の閉鎖された空間の場合は雰囲気が悪くなりやすかったりもしますね。
それと万引きの多さにはびっくりしました。気がついたら万引きされた後であることも多くあるので、実際頭にきますね。
あとは男性薬剤師の場合は美容部員と付き合う人が多かったりもするらしいです(笑)。

調剤とOTC販売の両方経験できることがよい

まず会社のよいところは、向上心が強い人が多いので自分も頑張って上を目指そうと思えることですね。
その他ドラッグストア業界の中でも他社に比べて給与が高水準だと思っています。
また最初にお話した通り、調剤とOTC販売の両方を経験出来ることもいいところだと思います。
業界のよいところは、何といっても調剤・OTC販売の両方の事業を行っているため、経営に関してリスクヘッジができることではないでしょうか。
診療報酬改定によって調剤部門が悪化したとしてもOTC部門がありますからね。
また今、国がセルフメディケーションを推進しています。その波に乗っているこの業界は強いと思います。

やはり調剤薬局の方がスキルは身に付く

調剤部門に関しては、調剤薬局に比べるとやはりレベルが低いことでしょうか。調剤薬局の方がノウハウもありますし、その道1本で勝負していますから当然といえば当然ですが。
OTC販売については、薬剤師として働いている実感があまり感じられないです。薬剤師である必要性が薄いので、薬の勉強が好きな人には向かないかもしれません。
あとは店長次第で大きく環境が変わってしまうところでしょうか。

最後にこの会社や業界に入りたいと思う方に向けてメッセージをお願いします。

ドラッグストア業界は総合的に見るととてもよい業界であると思います。
これからの時代、診療報酬が改訂される中で生き残っていくのはやはりドラッグストアではないかと思います。
年収も一般の職業に比べると高く、全国転勤も稀なため、ここに重きを置いている場合はドラッグストアへの入社を考えることもありでしょう。また様々な部署もあり、自分が目指したいキャリアが豊富な事もとてもよいと思います。
しかし薬剤師としてのスキルを高めたかったり、ルーチンワークを退屈に思っている方には向かないかもしれません。
しっかりと自分が本当に求めていることを理解して、その結果がドラッグストアに合っていると思ったらまずは働いてみてもよいのではないでしょうか。

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