【プロフィール】
笹森 有起さん(男性・32歳)
6年制薬学部第1期に東北薬科大学卒業。
薬局経営をしていた父親の影響で薬剤師を目指し、新卒で中小規模の薬局に勤務。起業をしている友人が多く、さまざまな話を聞くなかで自身も起業に対して前向きに考えるようになる。
約6年間薬局勤務をした後、オフィス薬局を立ち上げた。

薬局勤務時代に起業を考える
東北薬科大学を卒業して仙台に20店舗ほど展開している中小チェーンの調剤薬局に就職しました。
その薬局で勤務薬剤師を4年、管理薬剤師を2年のトータル6年間仕事をしつつ、人事や採用の仕事にも携わっていました。
今までは自発的に仕事で何かやりたいという希望はなく、オンオフがしっかりつけられて、そこそこの給与で暮らしていければいいと考えていたんです。
しかし元々薬剤師以外の友人が多く付き合いも薬剤師以外の人とばかりで、飲食店の経営や自分で事業をやっている人達ばかりでした。
そんな友人と話しているうちに、起業という世界を見てみたいと思ったことがきっかけです。
対企業向けの漢方サービス

この漢方事業を始めた理由は、元々独立する前から漢方を広めたいと思っていたことを友人と相談してて、その結果「よし!今やろう」となったためです。
前職では漢方専門医の門前のクリニックで仕事をしていて、いつかは漢方を絡めた仕事をしたいと思っていたんです。
ある程度勉強をした結果、現状は薬局対個人の漢方サービスはあるものの、対企業の漢方サービスがないと気づいたんです。
そこで企業の福利厚生として健康に配慮するような形で漢方を取り入れていただきたいと考え、今の事業を立ち上げました。
従業員の健康に配慮して、企業を元気にしたい

今後の目標として企業の常備薬を漢方薬で対処できるようにしたいと思っています。
風邪などの急性期に対応できるようなものや、体質を変えたい方にも対応できるような形で企業に使用していただきたいと考えています。
企業がオフィス薬局を通して漢方薬を使用していただくことは、薬剤師として社員の健康管理に携わる形となり、企業は保健室を手に入れるイメージになります。
ちょっとした不調は誰にでもあります。
その「ちょっとした不調」のまま働いていることが生産性の低下に繋がり、企業にとって大きな問題となっています。
従業員の健康に対して、配慮している会社というイメージを作っていただくことで、企業の評判もよくなっていただきたいと考えています。
やりたいことができる、でも実力勝負の世界
経営者になってよかったことは対人的なストレスがなくなったことですね。
会社に属していると、何をするにしても会社の判断や上司の許可が必要で自分のできることに限界がありました。
「やりたくてもできない」というストレスを感じなくなったことが大きいです。
逆に大変なことは、全ての仕事を自分でこなす必要があり実力次第では収入がなくなってしまうことです。
「自分でお客様を集めたり、お金を稼いだりしないといけない。」そのスキルが圧倒的に足りないなと経営をしてから痛感しています笑。
逆にその大変な営業を乗り越えてお客様を新規で獲得できたときには、何よりも大きな喜びを感じます。
独立して仕事をすると、仕事をした分がそのまま収入になる。頑張れば頑張っただけ、自分に返ってくることがとても喜びに感じます。
起業は一つの選択肢にすぎない

起業は選択肢の一つに過ぎないと思います。
大学進学・就職・起業くらいのイメージです。
私が思うことは、人生は長いのだからサラリーマンと起業(自営も含め)のどちらも経験することはいいことだと思います。
一番のメリットは視点を変えることができますので、世の中についていろいろと視野が広がります。
サラリーマンになるのは簡単です。卒業すれば簡単になれます。
そのためあえてサラリーマンの選択肢をとる必要はありません。
少しでも起業が頭によぎったらやってみる。起業は若いうちに経験するに越したことはありません。
起業を考えている方へのメッセージ
よく「失敗したら?」と質問を受けるのですが、失敗とはなんでしょうか?
例えば借金を背負ったとしても、最悪自己破産という選択肢もあります。
正直死ぬこと以外は失敗ではないと思っています。
それでも起業に躊躇している方は、自分の許せる最低ラインを決めるのがよいと思います。
お金や地位などの撤退ラインを下に下げていくと「結構余裕やん!」となってきます笑。
薬剤師の資格があれば、たとえ失敗したとしても資格は残り0にはなりません。
まずは挑戦をしてみる。そんな姿勢が大事であると、私は思います。

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