【プロフィール】
溝呂木 俊介さん(男性・35歳)
1985年生まれ
明治薬科大学卒業
薬学部卒業後、新卒でドラッグストアに入社。その後、薬樹株式会社に転職して店長として勤務しながらも予防医学についてさまざまな活動を行う。
現在は「食事指導・栄養指導・サプリメントなどの健康補助食品指導」を行う予防医学士として、全国のセミナーや講演会で活躍している。
身近な人を助けられる人間になりたい!
薬学部に入る前から「男として生まれてきたからには身近な人を助けられるようになりたい!!」と思っていたんです。実はそのために格闘技も習いました笑。
勉強面については暗記が苦手で数学が得意だったんです。そうすると身近なもので人を助けられるのは薬なのではないかと思いました。
医療系の中でも医者は診察はしますが、患者様は家に帰ったら薬を飲んで病気を治すので、「最終的に病気を治すのは薬」であると思い、数ある人を助けられる仕事のなかで薬の専門家になろうと思いました。
患者様のために相談しやすい環境を

正直最初は薬剤師の仕事を詳細にはわかっていませんでした。病院実習や薬局実習を通してやっとわかるようになったんです。仕事の内容と自分の性格を照らし合わせて、「ずっと同じ場所にいるのは耐えられない」「在宅をやっている薬局か地域密着のドラッグストアに行きたい」と思っていたところ、ドラッグストアの人事部の方のアシストがありドラッグストアに入社しました。
そこから薬樹株式会社に転職した理由は、勤めていたドラッグストアが吸収合併でガラッと変わったためです。なぜ薬樹株式会社を選んだかと言うと、患者様がドラッグストアで質問をするのがどうしても不思議でならなかったんです。ドラッグストアで働いていた当時、私は薬よりも日用品の方が詳しいし、「私よりも調剤薬局の薬剤師の方が断然詳しいのになんで聞きにいかないのだろう?」と思っていました。
考えた結果、「ドラッグストアはお客様が入りやすいから聞きにくる。」という結論に達し、それなら「相談しやすい薬局ができたら無敵ではないか?」と思いました。そういう薬局はどこだろうと思ったときに、上も目指せて店長になったときに一番好き勝手に仕事ができる会社はどこだろうと考えた際に薬樹株式会社しかありませんでした。
自分が患者様に貢献できる1番の環境を求めて起業を
薬樹株式会社での仕事は楽しかったし、好き勝手に店長業務をやらせてもらっていました。仕事をしながらNPOや企業の人との繋がりもどんどん増えてきましたが、一方でだんだんと会社の名前が邪魔になってきてしまいました。「薬樹の溝呂木」というイメージと「溝呂木自身」のイメージ半々になった辺りで会社を辞める決意を固めました。
本格的に予防医学を突き詰めようと思ったのは開業をするときです。私も見切り発車な部分も多く、そのときはお客様がいたわけではありませんでした。
最初は薬局の手伝いやフリー薬剤師という感じで仕事をして、仕事の合間に予防医学について活動をしていましたが、そこから講演の依頼もきはじめて、ようやく事業としての基盤ができたのが最近です。
健康寿命を伸ばして医療費の削減
活動内容のお話をする前に、現在老衰で亡くなられる方の割合はご存じですか?
現在の死因の1位はがんで、続いて心疾患、そして老衰は第3位の約8%です。誰でも苦しみながら亡くなるよりも、安らかに亡くなりたいと考えていると思いますが、健康あっての老衰です。
私は予防医学士として、さまざまなセミナーや講演、そして対個人の健康コンサルティングを行っています。「体質改善を行いながら綺麗になりダイエットもできる。」そんな知識と習慣を身に着けていただく活動をしています。
その他にはクリニックで月に1回、栄養相談も行っています。薬だけじゃなく栄養やサプリメントを取り入れて健康でいられるように、さまざまな方に指導をしています。
よく「いつまでサポートしてくれるのですか?」という質問をいただくのですが、私は「あなたが諦めなければ死ぬまでサポートをする」つもりです。
そして将来的には予防医学を通じて国の医療費の削減や健康寿命の増進に尽くしていきたいと考えています。
薬学部の勉強は社会に出ても活きる

薬剤師になってよかったことは、薬学の勉強は実はダイエット論や体の仕組みについてたくさん学べることですね。薬が口に入り「どうやって作用するのか」「どのように溶けるのか」を考えるのですが、口に入れるものなのでサプリメントも食品も同じ考えだと思っています。
薬学部で勉強していた当初は気づいていませんでしたが、予防医学に出会ったことで「薬剤師なら予防医学ができるじゃん!!」と思いました笑。
残念に思ったことは時代がまだ予防医学に追い付いていないことですね。
少し前の時代まではクリニックで薬を出していました。その時代に生きていた人たちが現在の薬局のメインの患者様になっていますが、病院から薬を渡されて言われるがままただ飲んでいただけだったので、自分自身の病気や健康に対する意識が高くない傾向にあります。
そうなるとどうしても予防という概念を理解していただくのは難しく感じますね。
今は医療費の患者負担が3割ですが、もともと自己負担がなかった歴史を考えると、もう少し時代が進み患者負担が5割~6割となった際に既存の保険診療に頼らない予防医学の真価が発揮されると思っています。
薬剤師の格差社会はすぐそこまで来ている
私は第5世代移動通信システム(5G)が話題に上がったときからオンラインは促進すると思っていました。
これから確実にオンライン診療は進んでいき、患者様は門前薬局にいくのではなく、近くの薬局や好きな薬局を選ぶようになります。
さらに投薬業務もオンラインになり、人気の「スター薬剤師」が誕生します。
そうなると「スター薬剤師」に処方箋が集まり、人気の「スター薬剤師」は企業と高単価で契約をして、不人気の薬剤師は梱包作業やピッキング作業やその他の雑務をやる薬剤師になります。
そんな未来を見越して私はyoutubeやTikTokをやっています。
「今後の未来を想像する」。それができる薬剤師が今後生き残っていく世界になると確信しています。
「予防医学」は薬剤師としてのステップアップ
私は予防医学に興味がない薬剤師はいないと思っています。「どうやったらいいかわからない」「自分にできるか不安」「忙しいからできない」といった言い訳を並べる前に、どんな薬剤師になりたいかを考えて下さい。処方箋を受け取ってからしか動けない受け身の薬剤師か、患者様が病気になる前に動ける主体的な薬剤師かを。
自身がどうなりたいのかを考えてから私に連絡をしていただければ、予防医学を通じて間違いなくその選択は正しかったというものは提供できる自信があります。
まずは薬剤師として、何ができるのかを必死に考えて、医療業界に貢献できる薬剤師を目指してくださいね。

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