薬剤師の仕事百貨

新卒だからこそ病院へ
【前編】

新卒の力を使って病院へ

僕が病院に就職しようと思ったのは、新卒の力を使って最初に病院の業務を経験したかったからです。
薬局なら後々でも就職できると思っていたのでまずは病院で働こうと思いました。

一日の業務は病棟と中央では全く違う

まずは朝9時に朝礼があります。
朝礼ではDIの人が業界の情報や添付文書の改訂などの話をして、その後主任から薬剤部内の話やインシデント報告があり、最後に部長の話で終了します。

続いて病棟業務では、入院患者さんの持参薬のチェックをします。今日入院してきた人と前日の夜に入院してきた人の情報収集を事前に行います。患者さんが入院してくるまでの間は、既に入院している人たちの情報を集めて服薬指導をします。

ここで言う情報とは、電子カルテから患者さんの一般的な情報である、「既往歴」、「入院の目的」、「どんな薬が出るのか」といったことです。入院してきてからすぐに話ができるように、事前に情報をとっておくことが大事なんです。

そして患者さんが入院してきたら「初回面談」、「持参薬の預かり」、「アレルギーのチェック」、「薬が処方された場合、その薬の説明」を行います。オスキーでやった内容ですね。これは全入院患者さんに行います。

そして日によってはカンファレンスを行います。カンファレンスは診療科ごとにやるのですが、その診療科で入院している患者さんの問題点を抽出して、「今後どうアクションしていくのか」を看護師や作業療法士、栄養士なども集まって話し合いを行います。診療科ごとに週1回行うので複数の診療科を担当していた場合はその数だけ参加します。

お昼の時間以外はこれらの業務と調剤業務を1時間ほど行い一日の業務が終了します。

中央業務とはいわゆる調剤業務です。入院患者さんの調剤を朝から晩まで行います。その他には「注射、抗がん剤、高カロリー輸液の調整」、「麻薬の処理」も行います。「オペ室の薬の払い出し」、「補充」、「回収業務」などもやります。

好きな業務と苦手な業務はなんでしょうか

一番好きな業務は抗がん剤の調整です。身体を動かす業務が好きなんです。(笑)

一番苦手な業務は電話番ですね。これは基本的に調剤室に居て様々な電話に対応します。一番多い電話は病棟から「誰々の薬が無いから早く上げてくれ」といった内容で7割を占めます。残りの3割は医師や看護師からの問い合わせです。問い合わせ内容がわからなかった場合はDIに回答のお願いをして、「注射の配合変化」などのすぐに回答できることはその場で回答します。

医師に感謝されることが一番のやりがい

患者さんに感謝されることもやりがいに感じますが、それよりも医師に感謝されることが一番のやりがいを感じます。医師が困っている時に、「こんな薬がありますよ」と提案して、それが採用されたらとても嬉しく思います。

ギャップは業務の幅と薬剤師の地位の低さ

病院で働いてみて、予想以上に仕事の幅が広かったと思いました。学生時代は漠然と「調剤業務」と「病棟業務」は分かっていたけれど、「オペ室」、「他業種とのコミュニケーション」、「委員会」、「カンファレンス」などは分かりませんでした。

悪い意味のギャップでは、薬剤師の地位の低さです。
これは働いてみないとわからないことではありますが、世間的に言われている以上に地位の低さを痛感してしまいました。

社風や労働環境について「人間関係」・「評価・価値観」・「仕事の進め方」・「雰囲気」の4点をお聞かせ下さい。

「人間関係」については、薬剤部内はとても仲がいいですね。上司もみんないい人で、相談などもとてもしやすいです。薬剤部以外の、例えば看護師でも話しにくいことはないです。看護師の方はご存知の通り若干強めの方は多いですが。(笑)
この仕事は他業種と多く連携を取ります。看護師の師長が何人もいる「師長会」に出て看護局へ業務の代弁をしてもらうこともありますので、薬剤部からのお願いはこの場で言うこともできます。

「評価」については年功序列です。特に何を行ったからといって給与が上がることはありません。主任になれば主任手当が付きます。

「価値観」については思いやりを持って患者さんと接することを心がけています。
従業員の価値観は様々ですが、求められる人材は「機転が効く人」です。病院の仕事はトラブルが付き物のため、柔軟な対応が出来ないと大事に発展しかねません。マニュアル人間は仕事が出来ないレッテルを貼られてしまいます。薬の知識は仕事をしていれば勝手に付くのでそれほど重要ではありません。

「仕事の進め方」も人それぞれです。
定時が5時ですが、個人の仕事を多く抱えている場合はたくさん残業をしている人もいます。その一方で全く残業しないで6時前に帰る人もいます。
業務時間内は業務の仕事を行い、委員会などの個人の仕事は業務終了後に行うため、個人の仕事が多いと必然的に帰る時間が遅くなります。ネックなことは個人の仕事の場合は多々サービス残業になってしまうことです。

その他調剤業務には内規が多く存在します。過去にインシデントが起きた場合、その対応としてルールを設定するのですが、そのルールが多くなり過ぎてしまっています。

「雰囲気」については主任が怒らない人で。とても緩く感じました。悪い意味ではなくとても働きやすいと思います。

新卒だからこそ病院へ
【後編】
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