薬剤師の仕事百貨

MRは製薬企業の中で最も患者のことを考える仕事
(前編)

【プロフィール】
M・Hさん(30代中盤/男性)
新卒で製薬企業に就職
10年ほどMRとして活躍したのち、現在は医療系の他業種へ転職。

研究職を目指していたが、最終的にMRへ

元々は 製薬会社の研究職に就こうと思っていましたが、就職活動がうまくいきませんでした。
そうこうしているうちに「自分は研究に向いていないのではないか?」と思いはじめました。
そう思い始めたきっかけは大学で研究を行っているときに、楽しさがわからなくなってきたためです。
そんな中MRという仕事を見つけて応募しました。
何社か受かりましたが、私が選んだ会社の方が働きやすそうだと思ったことが入社の決め手です。

MRの仕事内容

MRとしての仕事内容は、
自社製品を適正に使用して頂くことを目的に、担当地域の医師や薬剤師に情報を提供する仕事になります。一方的に情報を提供するだけでなく、実際の使用感や安全性情報などを医師から聞き取り、会社にフィードバックすることも重要な仕事となります。とはいえ、 MRは営業部配属なので、担当地域で売上げを上げるという営業的な側面を会社からは強く期待されていると感じています。

1日の仕事のスケジュールを教えてください

私は、開業医と基幹病院を同時に担当していたので、両方を経験することができました。

基本的な一日の流れとしては、
朝の8時~9時30分頃までは医薬品卸を3,4件回ります。
その後は会社に戻るか喫茶店に入って、メール処理や内勤業務を行い、 午前の診療終わりを狙って開業医を2,3件訪問します。
開業医訪問の後に病院の先生の昼休みを狙って医局へ行き、自社商品のPRや情報収集を行います。
お昼休憩を挟んで、午後も開業医や薬局、病院の薬剤部等を訪問し続けます。開業医訪問は午後の診療終了後のタイミングがピークとなり、それが終わったら最後に病院の医局の前にて先生を待って面会を試みます。
先生に会える時間にもよりますが、早く会えた場合は会社へ戻って内勤をしますし、遅かった場合はそのまま帰宅します。
日によって全然違いますが、平均して8時~21時くらいまで仕事をしていましたね。
MRという仕事は相手との関係構築もとても大事な仕事です。MRの訪問頻度を重要視している先生も少なからずいます。たとえ会ったとしても「今日は疲れているからダメ」と言われて、話ができないときもありますが、先生に顔を見せる事にも価値があります。
病院の先生はとても忙しく、医局の前ではほとんど待ち時間になるとも多々あります。
待ち時間では内勤業務をやったり、人によってはネットサーフィンをやっている人もいます(笑)。
また医局前では他社のMRと一緒に待つので、お互いに面会したい先生の話をしたり情報交換をしたりして待ってます。

朝に医薬品卸へ行く目的

基本的に医薬品卸が薬を販売しています。そのため医薬品卸との円滑な関係を構築することもMRの大事な仕事です。
良好な関係を構築することで、例えば医薬品卸に入っている施策(今月は●●という製品を10件納入しましょう!!的な)を円滑に進めることができます。
その他には担当する先生の情報を共有したり、いかにして担当施設に食い込んでいけるかといった情報も交換します。
このように泥臭い話ができるようになるための関係構築もMRにとってとても大切な仕事です。

新入社員時のスケジュール

今は変わっているかもしれませんが、入社してから9月まで研修をして10月から配属になります。
その後12月の前半にMR認定試験があるため11月の末くらいから勉強合宿を行って12月中旬から働き始めます。
最初の半年はホテルに泊まり缶詰状態で研修を行いました。
10月の配属で担当施設が決まっているので1週間ほどで引き継ぎを済まして、その後は一人で回ります。
最初はクリニックを経験してその後に大学病院を経験する流れが一般的ですが、配属によっては最初から大学病院もあり得ます。これは製薬企業によってさまざまですね。

新薬がモチベーションに繋がる

成果が売上という目に見える形で表れることや医師や薬剤師と直接やり取りができることはやりがいに感じます。
特に新薬が出たときに、医師から「使い方を教えてくれ」「こういう患者に使っても大丈夫か」といった直接的なやり取りに醍醐味を感じていました。
新薬について専門外の診療科の医師間での勉強会で講演をしてほしいと頼まれたこともあり、この講演自体は直接売上に繋がるわけではありませんでしたが、自分がしっかりと仕事をしていることを周りにも周知させることができ、とても楽しかったです。
逆に新薬が出ないときは、先生と面会をしても話す内容に困り、やりがいを感じづらいです。そういうときは何とか情報を得て面会に挑みます(笑)。既存の論文の情報や他の先生からのお悩み相談等、工夫を凝らしますが、正直言って、新薬の話をするよりもモチベーションは下がりますね。

先生と喧嘩になることもある

MRとして仕事を行っているなかで、先生に凄く怒られたこともあります。二度と私の会社の薬を使わないと言われたこともありました。医薬品の使用にあたり、決められた検査値を指標にする場合もあるのですが、その指標についてどうしても理解が得られずにトラブルになったこともあります。
製薬会社も先生も患者さんのことを第一に考えているからこその見解の相違なので、往々としてこのようなことが起こり得ますが、仕方ないとも思っています。

MRの立ち位置

よくMRは医療業界の中で立場が低いと言われていますが、そのことについて私は何も感じません。
知識量や職業としての責任感を考えたら、当たり前のことだと思っています。
責任感の大小で話すべき問題ではないのかもしれませんが、MRは実際に患者に接して治療に関わる訳ではないため、立場が低くなりがちな傾向については当然だと思っています。

MRは製薬企業の中で最も患者のことを考える仕事(後編)


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